看護師が給料の高い病院で長く働くには?都会で探す?地元で探す?
更新:2023/05/09
[転職について]こんにちわ!ママナースあつ子です。毎日の業務お疲れさまです!
看護師の「給料の高い病院で働きたい!」という気持ちと実現可能性について、今回はお話ししたいと思います。
看護師として働く皆さん、満足のいくお給料もらってますか?
看護師は不規則な生活に加え、人の命を預かるという責任感や緊張感など、身体的にも精神的にも大変な仕事ですよね。
勉強会や看護研究など、業務外の仕事も多いと思います。
大変な仕事だからこそ、その分やりがいや達成感もあるわけですが、それだけでは看護師の仕事は続けられません。
やっぱり働きに見合ったお給料が欲しいですよね!
看護師と給料の高い病院…初任給は、学歴や地域によって差がある!
看護師が給料の高い病院で働くことについて考えていくにあたって、まず、看護師の平均的な初任給をみていきましょう。
以下にご紹介するのは、日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」に掲載されていた新卒看護師の給料です。
- 看護3年課程卒:263,711円(基本給203,276円)
- 看護系大学卒:271,730円(基本給209,616円)
次は、設置主体別にみてみます。日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」によると、国公立病院や医療法人の病院などをおさえ、私立学校法人の病院がトップでした。
私立学校法人の病院で働く看護師の平均初任給はこちら。
- 看護3年課程卒:273,771円(基本給207,836円)
- 看護系大学卒:282,250円(基本給214,934円)
さらに、都道府県別では、東京都、大阪府、千葉県、埼玉県、静岡県などが高いことがわかりました。
日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」での東京都の看護師の平均初任給はこちら。
- 看護3年課程卒:289,206円(基本給210,441円)
- 看護卒大学卒:296,445円(基本給216,107円)
大阪府の看護師の平均初任給はこちら。
- 看護3年課程卒:275,966円(基本給209,161円)
- 看護系大学卒:282,787円(基本給214,838円)
日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」によると、病床数別では病床数が多ければ多いほど、給料が高い傾向があることがわかりました。
完全に比例しているというわけではありませんが、500床以上の病院では99床以下の病院よりも、3年課程卒の初任給では約7,000円、看護系大学卒の初任給では約11,000円も給料が高くなっています。
看護師と給料の高い病院…給料は、地域差あり!
看護師の給料が高い病院について考えるにあたって、地域差は重要な要素です。
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は508万1300円(月給351,600円、ボーナス862,100円)です。
次は通常の給料を、年代や都道府県別に比較していきましょう。
- 東京都の看護師は昇給額も高い
- 大都市は給料も高い!
- 男女差はほぼなし!
- 残念ながら、増え方は緩やか
東京都の看護師は昇給額も高い
新卒看護師の給料は東京都が高いことがわかりましたが、卒後10年経つとどうなのかを日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」をから見ていきましょう。
全国平均と勤続10年の看護師給料全国トップの東京都、最下位の宮崎県の給料を看護3年課程卒と勤続 10年(31~32歳、非管理職)の看護師で比較します。
まずは、3年課程卒の新卒看護師の給料から見ていきましょう。
- 全国平均:263,711円(基本給203,276円)
- 東京都:289,206円(基本給210,441円)
- 宮崎県:232,699円(基本給189,932円)
次に勤続10年の看護師の給料です。
- 全国平均:324,446円(基本給246,770円)
- 東京都:356,711円(基本給257,919円)
- 宮崎県:279,996円(基本給227,744円)
10年間での給料の昇給額を計算すると、次のような結果が出ます。
- 全国平均:60,735円
- 東京都:67,505円
- 宮崎県:47,297円
東京都は卒後10年間で67,505円も上がっています。
東京都は新卒の時点でも給料は高いし、昇給額も多いことがわかります。
なぜ宮崎県が低いのか?その理由はこの後の「大都市の看護師は給料も高い」の項目で説明します。
大都市の看護師は給料も高い!
都道府県により差はあるのでしょうか?
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査から、上位の都道府県をピックアップしました。
- 東京都:564万0600円
- 奈良県:545万7500円
- 兵庫県:541万4800円
- 埼玉県541万2500円
- 大阪府529万5500円
- 神奈川県:527万8600円
東京都の看護師の年収が高いことがわかりますね。
また、東京都や大阪府周辺、つまり都市部(特に首都圏や大阪都市圏)は看護師の給料が高い傾向にあります。
また、県民あたりの看護師人口が少ない所も給料が高いことが多いです。
厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 」によると、人口 10万対就業看護師数の全国平均は1015.4人ですが、東京都は854.6人、埼玉県は736.9人、千葉県は777.0人、神奈川県は791.8人と群を抜いて低いです。
逆に看護師の給料が低い傾向にある九州地方は、看護師数が全国平均を大きく上回っています。
このことから、看護師数が少ない(需要が高い)ところは給料が高い傾向にあり、看護師数が多い(需要が少ない)ところは給料は低い傾向にあると言えるでしょう。
先ほど説明した通り、宮崎県の看護師の給料は全国最下位の低さですが、宮崎県の人口10万人当たりの看護師数は1,367.9人と多いです。
このことが、宮崎県の看護師の平均給料が低い理由の1つと言えるでしょう。
<東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県など、看護師人口が少ない都道府県の病院を紹介してもらいたい人は転職コンサルタントに相談してみましょう!>
男性看護師、女性看護師の差はほぼなし!
看護師の仕事に男女の違いはありませんので、給料も男女差はほとんどありません。
ただ、30~40代頃から男性の方が少し高くなることがあります。
これは、結婚して扶養家族ができると家族手当などがつくためだと考えられます。
また、女性の場合、出産後は日勤のみで働くことも多いため、結婚後は男性看護師に比べると、どうしても平均給料は低めになりやすいです。
残念ながら、増え方は緩やか
国税庁の「令和3年民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は20代前半で269万円、50代後半で529万円ですので、社会人になってから定年退職前までに給料は約2倍になります。
それに対し、看護師の場合はそこまで大きく給料は上がりません。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」では、20代前半の看護師の平均年収は400万3500円、50代後半になると578万4500円です。
看護師の場合は、働き始めてから定年退職前まで、1.5倍にもなりません。
しかし、看護師は大きな昇給はありませんが、20代の頃から定年前までずっと平均以上の給料を稼ぐことができると言えます。
看護師は上昇の仕方は緩やかですが、長く働けば確実に増えますので、その時々に合わせた働き方をしながら続けていくといいと思います。
看護師の給料が高い病院は国立、公立、大学、大規模総合病院!
看護師の給料が高い病院について、次は施設別に比較してみます。
日本看護協会の「2021 年 看護職員実態調査」から看護師の職場別の給料データを抜粋しました。
- 病院:386,045.8円
- クリニック(診療所):354,562.5円
- 訪問看護ステーション:367,775.3円
- 介護施設:346,236.4円
やはり病院が一番多いですね!
ではどのような病院がより高いのかみていきましょう。
- 高収入には夜勤が必須!
- 国立病院機構は福利厚生が手厚い!
- 大学病院、大規模な総合病院は高収入で、バリバリ働きたい人にオススメ!
- 救急部には特殊手当がつく!
- 美容系クリニックは高収入だけど、ノルマがあることも
看護師の高収入には夜勤が必須!
看護師の給料は病院が一番高いことがわかりました。
では、なぜ病院勤務だと給料が高くなるのでしょうか?
その最大の要因は夜勤でしょう。
日本看護協会の「2020年 病院看護実態調査報告書」によると、2交替の夜勤手当の平均額は11,286円です。これにさらに、22時~5時の割増賃金(通常賃金の25%以上)が加算されます。
2交替の夜勤を月に4回入ったとして計算すると、日勤のみの人よりも1年間で54万1728円の年収アップになります。
さらに、深夜の割増賃金も加算されますから、夜勤に入る看護師は高収入を得ることができるのです。
国立病院機構は福利厚生が手厚い!
以前は、国立病院機構で働く看護師は公務員扱いでしたが、2015年4月からは、職員の身分は公務員ではなくなり一般の看護師と同じになりました。
ですが、公務員だった時と同じ給与体制であることが多く、給料が高いことが多いです。
公務員と同じということで、ボーナスや福利厚生がとても充実していて、退職金もかなり多いですよ。
また、全国の国立病院の給料体制は統一して同じですので、別の国立病院に異動しても経験年数、基本給などを引き継げるなどのメリットがあり、とても人気があります。
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公立病院の看護師は公務員として働ける!
公務員として看護師をしたい人は、都道府県立の病院で働くという方法があります。
病院によっては、国立病院よりも待遇がいいところもあるので、オススメです!
看護師の場合は一般的な公務員試験はなく、面接と小論文で合否が決まるところが多いようです。
特別難しいということはないようなので、ぜひ挑戦してみてください!
ですが、都道府県立病院は人気でなかなか求人情報を見つけられないことが多いです。
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大学病院、大規模な総合病院は高収入で、バリバリ働きたい看護師にオススメ!
大学病院も、大学というしっかりとした母体があるため、給料が高いです。
看護研究に取り組んだり、最先端の医療に携わることができるので、キャリアアップを目指す看護師にはとてもいいと思います。
これは大規模病院も同様で、様々な疾患や技術を学べるため、経験を積むには最適な環境だと思います。
300床以上の病院は給料が高いので、バリバリ働いてしっかり稼ぎたい!という看護師さんにオススメです!
看護師の給料は、病床数が多いほうが高い傾向にあるんです。
日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」から勤続10年(31~32歳、非管理職)の看護師の給料を、病床数別に見ていきましょう。
- 99床以下:311,133円
- 100~199床:319,479円
- 200~299床:322,252円
- 300~399床:336,987円
- 400~499床:341,150円
- 500床以上:354,173円
このデータを見ると、病床数と看護師の給料はきれいに比例していることがわかります。
だから、高収入を狙いたいなら、大学病院や大規模な総合病院など病床数が多い大きな病院に転職したほうが確実なのです。
ですので、<キャリアアップを目指しながら高収入を得たい!という人は転職コンサルタントに大学病院や大規模病院を探してもらいましょう!>
救急部の看護師には特殊手当がつく!
救急部、救命病棟は多種多様な状況に対応しなければならなかったり、残業が多かったりするため、特殊業務手当、救急呼出待機手当などがつくことがあり、給料が高くなる傾向にあります。
スキルアップには絶好の職場ですし、救命で働いてるなんてデキる看護師!というイメージもありますし、高収入を目指す人は検討してみるのもいいと思います!
<救急病院で様々な疾患の看護をしながら、高収入を得たい!という人は転職コンサルタントに見つけてもらいましょう!>
美容系クリニックの看護師は高収入だけど、ノルマがあることも
美容系クリニックであれば。看護師でも年収1000万円も目指せます!
担当患者の施術の際に、特別手当がもらえたりすることがあるためです。
ですがその分、新規の顧客獲得ノルマがあったり、自分も美容整形を行わなければいけないなどの決まりがあったりするので、よく確認してみてください。
<それでも美容系クリニックで働いてみたい!という人は転職コンサルタントに探してもらいましょう!>
看護師の給料で夜勤手当が高いのは中小規模の病院!
看護師の給料が高くなるためには、手当は欠かせません!
残業手当、夜勤手当、住宅手当など、様々な手当によって給料のよさが決まると言っても過言ではありません。
各種手当は国立病院や大規模病院のほうが手厚い傾向にあります。
しかし、手当の中でも特に大きなウエイトを占める夜勤手当は、大規模病院より中小規模の病院の方が高いということが看護協会の調査により明らかになりました。
日本看護協会の「2020年 病院看護実態調査報告書」から、病床数別の夜勤手当の平均額を見ていきましょう。
- 99床以下:11,909円
- 100~199床:11,810円
- 200~299床:11,086円
- 300~399床:10,476円
- 400~499床:9,624円
- 500床以上:8,879円
中小規模の病院の中には、夜勤手当が20,000円以上のところもあります。
- 残業が少ないほうがいい人は中小規模の病院がオススメ!
- 効率的に稼ぐなら夜勤専従もオススメ!
残業が少ないほうがいい看護師は中小規模の病院がオススメ!
さっき300床以上の病院の病棟で、常勤として夜勤をするのが高収入の条件だって言ったじゃないか!と思いますよね。
例えば、300床以上の大規模病院では、福利厚生や教育体制がしっかりしているというメリットがありますが、残業が多い上に、残業手当がつかないことが多いというデメリットもあります。
一方、中小規模の病院は、福利厚生などは大規模病院ほど手厚くはないかもしれませんが、残業が少ないというメリットがあります。
ですので、夜勤を多くできるのなら、基本給やボーナスが高い大規模病院より、夜勤手当が高く、残業の少ない中規模病院の方が、仕事量は少なく効率よく稼げると思います。
効率的に稼ぐなら夜勤専従看護師もオススメ!
常勤で夜勤専従看護師という働き方もあります。
大規模病院より、中小規模の病院のほうが看護師の人数が少なく、夜勤専従で働く看護師を必要としていると予想されます。
夜勤手当の高い病院で夜勤専従として働けば、高収入が得られるのは一目瞭然ですよね!
身体的にはきついと思いますが、短期間で稼げて自由になる時間も多いので、効率的に稼ぎたい!という人にはオススメです。
ですので、<特に夜勤をたくさんして稼ぎたい!という人は中小規模の病院を転職コンサルタントに探してもらいましょう!>
看護師の給料の高い病院を具体的に東京都港区で見てみる
看護師の給料が高い病院の条件は、東京都の大規模な病院であることがわかりました。
では、東京都の大規模病院の具体的な給料はどのくらいなのかを、東京都港区の病院の20代看護師を例に見てみましょう。
(参照元:港区 – 東京都の病院人気ランキング【看護師求人編】)
- 東京慈恵会医科大学附属病院(1026床):年収450~600万円
- 虎の門病院(819床):年収450~560万円
20代で500万円台後半を稼げる可能性があると考えると、やはり東京都の大規模病院の看護師の年収は高いと言えますね。
それぞれの病院にそれぞれの特長がありますので、看護師転職コンサルタントに相談しながら、あなたに合った病院を探してくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
同じ看護師でも、地域や病院によって給料には差があることがわかりました。
同じように働いているのだから給料の高い病院で働きたい!と思うのは当然のことですよね。
独身の人など身軽に動ける人は都会へ出ていくもよし、動けない人は公立病院や救急病院などを選ぶもよし!
看護師転職コンサルタントに相談して、それぞれに合った働き方で高収入をゲットできる病院を見つけてください。
そして長く働いて、確実に稼いでいきましょう!
それぞれの病院にそれぞれの特長がありますので、看護師転職コンサルタントに相談しながら、あなたに合った病院を探してくださいね!
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