看護師が総合病院からクリニックへ転職しても楽になるとは限らない!
更新:2023/04/12
[転職について]こんにちは!ママナースあつ子です。毎日の業務お疲れさまです。
看護師が総合病院からクリニックに転職すると、何がどう変わるのかな?と思っているあなた。
総合病院は忙しくて嫌になってしまいましたか?または、夜勤ができなくなったとか、人間関係に疲れてしまったとかでしょうか。
少しのんびり働きたいなぁと思ったときに、すぐ思い浮かぶのはクリニックで働くことですよね。
私もクリニック勤務に憧れて、求人情報をよく検索してました。
しかし、実はクリニックの看護師は総合病院の看護師が思うほど楽ではありません!
だからと言ってクリニックへの転職はやめたほうがいいというわけではありません。
クリニックの意外な大変さについて理解してから転職するのが成功への道ですから、しっかり事前学習してから転職に臨んでほしいのです。
クリニックと総合病院外来の違いについては、こちらで詳しく説明していますので、今回はクリニックと総合病院病棟の違いについて説明していきますよ!
<看護師のクリニックから総合病院外来へ転職は違いを把握して臨もう!>
目次
看護師が総合病院からクリニックへ転職するときの葛藤
看護師が総合病院からクリニックへ転職したいなぁと思うとき、クリニックに対してどんなイメージを持っているのでしょうか。
クリニックは、夜勤がないのはもちろん残業もなくて、バタバタすることなくのんびり働けて、スタッフや患者さんともギスギスしない穏やかな関係でいられて、とにかく楽!
でも給料が減っちゃうし、暇すぎてつまんないかもしれないなぁという感じでしょうか。
しかし、先ほども言ったように、クリニックはそんなに簡単ではありません!
このイメージを持ったまま、「総合病院での経験があるし大丈夫でしょ!」と自信満々でクリニックに転職すると、ギャップに驚いて自信喪失してしまうかもしれません。
では今回も、①仕事内容②勤務スタイル、休日③給料④人間関係⑤やりがい、の5項目にわけて総合病院の病棟とクリニックの違いについて詳しくみていきましょう。
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると仕事内容はどう変わるのか
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると仕事内容はどのくらい変わるのでしょうか。
病棟にはなくてクリニックにはある仕事、病棟にはあってクリニックにはない仕事について、それぞれ紹介していきます。
病棟にはなくてクリニックにはある仕事
まず病棟にはなくてクリニックにはある仕事には、以下のようなものがあります。
受付、電話対応
クリニックの受付業務や電話対応は医療事務の担当ですが、他の仕事をしているときなどは、看護師が代わりにやらなければならないこともあります。
また患者さんから直接「今こういう状態なんだけど、受診したほうがいいですか?」というような電話があることもあります。
そんなときに対応するのも看護師の仕事です。
「病棟でも電話対応くらいするけど」と思うかもしれませんが、病棟の場合、だいたい相手は院内の他部署や他病棟などのスタッフですよね。
スタッフ同士ならそこまで丁寧に対応しなくても大丈夫ですが、クリニックの場合は相手は患者さんが多くなります。
受付や電話対応の仕方が悪いと、それだけで「ここのクリニックは感じ悪い」という悪いイメージを植え付けてしまうので、接遇やマナーについて再確認しておく必要があります。
医療器具の洗浄や消毒、薬品や備品の管理、発注
看護助手のいないクリニックでは、医療器具の洗浄なども看護師の仕事です。
消毒レベルの器具なのか滅菌が必要なのかを覚え、滅菌物は伝票を記載して業者に依頼するなど、事務的な業務も覚える必要があります。
また薬品や備品も同様で、どのくらいの期間でどのくらい使うのかを把握して発注したりしなければなりません。
クリニックは「とにかく節約!」というところが多く、総合病院よりもコスト削減の意識が高いです。
無駄遣いせず、在庫も増やさず、適度に管理することが求められるでしょう。
最初は加減がわからず悩んでしまうと思いますが、慣れればわかってくることなので、そんなに難しく考えることはありません。
専門的な処置、心電図の測定、レントゲン撮影のセッティング
クリニックには、そんなにたくさんのスタッフ、業種はいません。ですので、看護師はできる限りのことをしなければなりません。
例えば、総合病院では検査技士さんがしてくれていた心電図や、レントゲン撮影のセッティングなども看護師が行うことがあります。
さらに眼科では眼圧測定を看護師がするなど、総合病院では医師が行なっていたことも、クリニックでは医師の指示のもとで看護師が行なったりします。
そのクリニックによって違いますが、「え?これ私がやっていいの?」と驚くようなことも、看護師の仕事だったりして、ある意味総合病院よりもスキルアップできてしまうかもしれません。
「そんなことできないよ、怖い!」と思うかもしれませんが、わからないことは何度でも質問し、チェックしてもらえば、確実に実施できるようになるので大丈夫です!
「総合病院出身だから、何でもできるし!」というプライドは捨てて、クリニックでは新人という気持ちで頑張りましょう!
診察室の清掃
クリニック内の清掃も看護師の仕事です。看護師だけでなく、事務の人などと協力して行います。
病院は清潔感が大事ですし、感染予防のためにも毎日キレイに掃除する必要があります。
病棟にはあってクリニックにはない仕事
次は、病棟にはあってクリニックにはない仕事です。
夜勤
クリニックは日中のみなので夜勤はありません。
夜勤をすると本当に体がきつい、子育て中など、夜勤ができない事情がある看護師さんにとっては、とても魅力的ですよね。
清拭や食事介助などの身の回りのケア
看護師といえば、清拭や食事介助などの身の回りのお世話をするというイメージですが、これもクリニックでは行いません。
介助が必要な患者さんが多い病棟だと、清拭をこなすだけでバタバタで、やっと清拭が終わったと思ったら昼食の介助と大忙しですよね。
そんなバタバタなケアをしなくていいなんてすごく楽!と思うと思いますが、それだけ大きなウエイトを占めていたケアをしなくなるというのは、物足りないなぁと思ってしまうかもしれません。
看護記録
病棟では看護記録は必須ですよね。何かあったときに自分の身を守るためにも、細かく記載するようにと指導かれている看護師さんも多いと思います。
しかし、看護記録もクリニックでは記載しません。
病棟では、看護記録を記載するために残業することも多いので、やはり看護記録がないというのはかなり負担が軽くなります。
ですが、看護記録をする時間は唯一座って仕事ができる時間ですよね。
その看護記録がないということは、座るタイミングがないということなので、立ちっぱなしの時間が増えて身体的な負担は増えてしまうかもしれません。
勉強会、看護研究
クリニックでも勉強会や看護研究を実施しているところもありますが、ほんの一部です。
ほとんどのクリニックは勉強会などはないので、勉強会のために残業したり休日に参加したりしなければならないということはありません。
しかしだからと言って、クリニック勤務の看護師は勉強する必要がないわけではありませんので、自分で学習を深めていかなければなりません。
他部署との連携
病棟では、他病棟や他部門との連携が欠かせませんよね。すぐ連絡できるように様々な部署の内線番号を記憶している看護師さんも多いでしょう。
そのような他部署との連携もクリニックではほとんどありません。
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると勤務スタイル、休日はどう変わるのか
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると勤務スタイル、休日はどう変わるのでしょうか。
クリニックは木曜・日曜・祝日・土曜午後は休み、というように固定されている場合が多く、看護師ももちろん同様に休めます。
夜勤もなく、休日に呼び出されたりすることもないので、規則的な生活を送れますし、予定もたてやすいです。
しかし、連休は少ないです。夜勤明けを休みのように過ごしていた人は休みが少なくなったような気がしてしまうかもしれません。
そして、クリニックは午前診療と午後診療の間が3時間くらい空いていることが多いです。
3時間まるまる休めるなら一度帰宅して家事を済ませたりすることもできますが、午前の診察が時間内に終わらなかったり、午後の準備があったりで、クリニックで休憩するには長いけど家に帰る時間はない、という微妙な感じになることもあるでしょう。
また、午後診療の終わる時間が病棟より遅いこともあります。
また、急に休みたいという場合、総合病院なら看護師がたくさんいるので「1人いなくてもみんなでフォローし合って頑張ろう!」となんとかこなせますが、クリニックは看護師の人数が少ないので、他の看護師への負担が大きくなってしまい、休みずらいです。
育児休暇なども取得できないことが多く、育児や介護などの理由で一定期間休みたい場合には、退職せざるを得ないでしょう。
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると給料はどう変わるのか
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると、残念ながら給料は減ってしまうでしょう。
看護師の給料は夜勤手当や残業手当などの様々な手当がプラスされることで高くなっているからです。
クリニックは夜勤もなく、各種手当も総合病院ほど充実していないことが多いので、総合病院の病棟勤務のときよりは少なくなることが多いです。
ボーナスや退職金はもらえても少額で、支給されないことのほうが多いでしょう。
しかし、がっかりすることはありません!
総合病院の給料ほどではありませんが、給料が高めのクリニックもあります。
「クリニックに転職したいけど、給料が減ることだけがネックだわ」という看護師さんは、給料高めのクリニックを探してみるといいでしょう。
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると人間関係はどう変わるのか
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると人間関係も変化が生じます。
看護師同士、医師、患者さんとの関係がどのように変わるのかみていきましょう。
看護師同士
クリニックでは看護師の数が少ないので、病棟よりも看護師同士の距離感は近くなりやすいです。
気の合う看護師や、性格が良く付き合いやすい看護師が多ければ働きやすいのはもちろんですが、逆の場合はけっこうしんどいです。
病棟と違ってシフト制ではないので、「しばらく勤務が合わない!ラッキー!」というわけにはいきませんからね。
大ベテランのお局様のような看護師がいると、毎日ご機嫌とりをしなければならず、うんざりしてしまうでしょう。
しかし人数が少ないので、派閥がたくさんできたりすることはなく、そういう意味では付き合いやすいかもしれませんね。
医師
総合病院には研修医がローテーションしていたり、若い医師が入ってきたりするので、「先生!これ違う!」と看護師が指示の出し方などを指摘したり指導することも多いですよね。
経験年数を重ねていくと、医師から頼られたりもします。
しかし、クリニックではそんなことはほとんどありません!
クリニックでは院長が絶対!なので、よほどのことがない限り、院長に意見するなんてことはありません。
楽といえば楽ですが、「病棟だったら看護師も発言力があって、意見を取り入れてもらえたのになぁ。」と物足りなさを感じてしまうかもしれません。
患者さん
クリニックには定期的に通ってくる患者さんもいますが、毎日会うわけではないし、待ち時間にコミュニケーションをとる時間もないので、入院患者さんのような親近感は持てないかもしれません。
それでもしばらく働けば顔ぶれも覚えてくるし、生活圏が同じだったりするとどこかでバッタリ会ったりして、少しずつ距離が縮まっていくでしょう。
患者さんとガツガツコミュニケーションをとるのは苦手、という看護師さんにはちょうどいい距離感で接することができますが、病棟のように、いつでもたくさんコミュニケーションをとりたいという看護師さんは、つまんないと思ってしまうかもしれません。
私の友人が、整形外科のクリニックで働いていますが、患者さんが電気治療をしている間や、包帯を巻く処置中などにコミュニケーションをとる時間がわりとあるそうです。
患者さんとたくさん関わりたいという看護師さんは、整形外科を選んでみるのもいいと思いますよ!
看護師が総合病院からクリニックへ転職するとやりがいはどう変わるのか
看護師が総合病院からクリニックへ転職すると、やりがいに変化はあるのでしょうか。
総合病院の病棟では、毎日患者さんと関わることで状態の変化にすぐ気づくことができたり、常に精神的なフォローをすることもできますよね。
そんな患者さんが元気になっていく過程をみれたり、退院していく姿をみれることでやりがいを感じると思います。
また、患者さんにとって一番近い存在であり、頼ってもらえたりお礼を言ってもらえたり、患者さんのために何かができたと思えるときにもやりがいを感じます。
クリニックでは、毎日患者さんの様子がみれるわけではありませんが、定期的に通ってくる患者さんであれば少しの変化に気づくこともできますし、初めて受診した患者さんがホッとして帰っていく姿をみて、やりがいを感じると思います。
また、一人暮らしをしている高齢の患者さんなどは、話し相手を求めていることもあるので、そのような患者さんとコミュニケーションをとることでも、やりがいを感じられるでしょう。
看護師が総合病院からクリニックへ転職することを決めたなら
看護師が総合病院からクリニックへ転職したら、何がどのように変わるか、あなたの生活がどう変わるか、イメージできましたか?
クリニックに転職することを決めたあなた、何にこだわってクリニックを選びますか?
診療科、給料、休みの数など、重要視したいポイントがありますよね。
優先順位を考えて、クリニック選びを始めましょう!
「クリニックに転職することを決めたけど、クリニックなら楽だから、どこでもいいわ」と思っているあなたはちょっと待ってください!
看護師に特化した仕事だけで考えれば、総合病院の病棟よりもクリニックのほうが確かに仕事量は少なく楽と言えます。
しかしクリニックでは、今までは看護助手さんがやってくれていた雑用や、他職種の仕事だったことまでも幅広くこなさなければなりません。
全体的な仕事量で考えたら、総合病院もクリニックも同じくらいかもしれません。
仕事量が同じなのに、看護業務の割合が減り、雑用などが増えるんです。
あなたはそれでも大丈夫ですか?
「看護師なのに雑用ばかりしてる」「患者さんとたくさん接していた総合病院の病棟のほうが看護師らしくてよかったな」と転職後に思ったりしないでしょうか?
「うーん、そう思いそうな気がするなぁ。でも楽な仕事がしたいんだよなぁ。」という看護師さんは、クリニックにこだわらずに楽な仕事を探してみてはどうでしょう?
看護師の楽な仕事について知りたい人はこちらを読んでみてくださいね。<看護師の楽な仕事はたくさんある!楽な仕事で心も体も楽になろう!>
そして、「クリニックの方が幅広く、他職種の分野の仕事までしなければならないなら、もう少し総合病院の病棟で経験を積んでから転職しようかな」と思った看護師さんもいるでしょう。
そんなあなたは、引き続き今の職場で頑張ってみてください!
看護師の転職は、転職サイトにおまかせ!
クリニックへ転職することを決めた看護師さんも、他の楽な仕事を探すことを決めた看護師さんも、転職するなら看護師の転職サイトに登録しましょう!
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転職サイトって?どうやって選べばいいの?という人はこちらへ!<看護師の転職サイトの選び方を知って、メリットいいとこどりを狙おう!>
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そして、今は経験を積んで自信がついたら転職しようと思っている看護師さんも、転職サイトへの登録をオススメします。
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まとめ
看護師が総合病院からクリニックに転職したときの変化についてみてきましたが、いかがでしたか?
クリニックは夜勤がなく、休みも固定されているので、日勤のみの仕事がしたい人や子育て中の看護師さんにとって働きやすい職場です。
しかし、「クリニックはとにかく楽!」というイメージだけを持っていると、転職後、予想外の仕事量にびっくりしてしまうでしょう。
クリニックでの仕事は幅広く、時には総合病院勤務のときより専門的な処置を看護師が行わなければならないこともあります。
そして、夜勤がないために給料が減ってしまったり、連休が少ないために休みの数が減ったような、休みの質が下がったような気持ちになることもあります。
クリニックへの転職を考えている人は、これらをきちんと理解しておいてくださいね。
「クリニックが楽じゃないなら転職はやめようかな」という看護師さんは、クリニックではない楽な仕事はたくさんあるので、そちらにシフトチェンジしてみてもいいと思います。
そして、そんな転職を決めた看護師さんは転職サイトを利用することで、成功率がぐんと上がります。
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そして「いずれはクリニックに転職したいけど、今はまだかな」という人も、転職サイトに登録しておくといいと思います。
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